おじいちゃんが教えてくれた 人として大切なこと
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『おじいちゃんが教えてくれた人として大切なこと』アルン・ガンジー・著
桜田直美・訳 ダイヤモンド社
◆目次◆
プロローグ
レッスン1 怒りは、賢く使いなさい
レッスン2 意見することを恐れない
レッスン3 「一人の時間」を宝物にする
レッスン4 自分だけの価値を知る
レッスン5 ウソは人生のガラクタ
レッスン6 ものを粗末にするのも暴力
レッスン7 子を育てるということ
レッスン8 謙虚な人は、強い人
レッスン9 非暴力の五つの柱
レッスン10 許しは勇気だ
レッスン11 「違い」よりも「共通点」を探しなさい
エピローグ
著者のアルン・ガンジー氏は、『タイムズ・オブ・インディア』紙で30年間ジャーナリストを務めた後、祖父の教えを広めるため、「非暴力のためのM.K.ガンジー協会」を設立した人物で、2023年5月に亡くなっています。
著者は12歳から14歳までの2年間、ガンジーの教えを受けて育ったらしく、本書の内容はその時の言葉とエピソードが中心となっています。(時折、「バプジ」という呼称が出てきますが、これはガンジーのことを指しています)
「すべての人類は一つの家族だ」
「あなたがこの世で見たいと思う変化に、あなた自身がなりなさい」
「怒りは、賢く使いなさい」
「自分で自分を解放しなければ、誰もあなたを解放できない」
怒りや才能をどう扱うか、差別や偏見に打ち勝つにはどうするか、世界を変えるために必要な態度とは何か、豊かに生きるとはどういうことか…。ガンジーの教えが、直接聞いた言葉でまとめられているので、じつにリアリティがあります。
著者が最後の方で補足しているように、後世になって伝えられているガンジー像は、決して聖人君子ではありませんが、それでも大きな変化を成し遂げるためにどんな態度で仕事に臨むべきか、大切なことを教えてくれたと思います。
引用
怒りは、車のガソリンのようなものだ。怒りがあるおかげで、人は前に進むことができるし、もっといい場所に行くこともできる。怒りがなければ、困難にぶつかったときに、なにくそという気持ちで立ち向かうこともできないだろう? 人は怒りをエネルギーにして、正しいことと、間違ったことを区別することができるんだよ
自分を傷つける人、自分を怒らせる人に優しく対応すれば、状況を一変させることができる
何かが間違っていると思っても、それを口に出さずにいたら、世界を変えることはできない
自分にとっていちばん大切なことを見つけ、たとえ世の中の流れに逆らってでも、その大切なことを守るために立ち上がることのできる人が、本当の意味で強い人だ
バプジを襲った群衆のうち、襲撃を主導した何人かはその後警察に逮捕された。警察はバプジに連絡し、襲撃犯を起訴するために被害届を出してほしいと伝えてきた。しかしバプジは断った。警察署長は驚いた。「それなら彼らを釈放することになりますよ」「それでかまいません」そう、バプジは答えた。彼らを牢屋に入れることに協力したら、憎しみを広めるという意味で、彼らと同罪になってしまう
「変化」よりも先に訪れる「混乱」を恐れるな
思想や意見の「安全地帯」は、おそらくもっとも危険な場所と言えるだろう。なぜならそこにいると、自分と違う考え方がまったく見えなくなってしまうからだ
人間の精神は、たくさんの開かれた窓がある部屋のようであるべきだ。すべての窓から風を入れなさい。しかし、どの風にも吹き飛ばされてはならない
あなたの「才能」や「幸運」を他人にも分け与えなさい
「私の王国も、このコップと同じだ。もうこれ以上人を入れることはできない」それを聞いた難民のリーダーは、コップの水にスプーン一杯の砂糖を入れると、かき混ぜて溶かした。「砂糖は水に溶け、水を甘くすることができます。それと同じように、わが民もインドの社会に溶け込み、社会をよりよくすることができるでしょう」王はこの答えに納得し、ゾロアスター教徒の難民を受け入れた
ものを粗末にするのは、ただの悪い習慣ではない。それは周りの世界のことをまったく気にかけていない証拠だ。自然に対する暴力なんだよ